企業内の情報管理や情報共有を行うにあたり、サーバーやNASを持つ企業も少なくありません。それはもはや常識になりつつあります。ですが、社内にIT部門を構える企業は、サーバーやNASの管理ができますが、IT部門を構えていない企業にとっては、サーバーやNASの管理は非常に難しいでしょう。特に、中国上海にオフィスを構える企業は、中国上海のオフィスにサーバーを一から構築するのは手間がかかるのが現状です。そんな中近頃はクラウドという考え方が主流になってきています。クラウドであれば自社でサーバーを置く必要がなく、管理する必要がありません。そんな便利なクラウドですが、実は新たな使い方が注目されています。それはシンクライアントとの融合です。中国上海で企業の一番の心配の種は、情報漏洩・情報管理です。特に中国上海での情報漏洩の被害は非常に多く、多くの企業が対策を急いでいます。そんな対策の一つとして、クラウドとシンクライアントの融合が非常に有効といえます。シンクライアントを導入すれば、パソコン本体にソフトやデータを残す必要はなく、すべてのデータやソフトをサーバー上で一括管理できるので、管理が非常にし易いのが利点です。シンクライアントについては次回詳しく説明していきます。
『シンクライアント』とは、ユーザーが使用する端末(クライアント端末)の機能は必要最小限にとどめ、サーバー側で処理を行う仕組みのことを言います。サーバー側で処理された結果は、MicrosoftのRemote Desktop Protocolのような画面転送プロトコルにより、画面のみクライアント端末に転送されます。つまり、クライアント端末は、サーバーで処理された結果を画面に表示するだけで、データを端末内に一切保持しません。このような特徴から、近年では情報漏えい対策など、セキュリティの一手段として、企業の注目を集めています。シンクライアントの語源は『シンクライアント』という単語は、「薄い、少ない」という意味を持つ「Thin(シン)」+「Client(クライアント)」から成り立っています。処理をすべてサーバー側で行わせ、端末側は最小限の機能を持つ端末を利用することに由来しています。これに対して、通常のPCのことを「FAT(ファット)クライアント」と呼ばれることもあります。ほとんどのシンクライアントシステムでは、サーバーもしくはクライアントOSに、画面転送プロトコルを利用して接続します。この画面転送プロトコルは、提供しているメーカーによって異なりますが、ほとんどの製品がFATクライアントにインストールできるため、既存のFATクライアントをシンクライアントシステムのクライアント端末として利用することも可能です。
近年注目を集めているシンクライアント。端末自体にデータを保存しないので、情報管理・情報漏洩の観点から言っても非常に有効と言えます。そんなシンクライアントですが、近年ではクラウドとの共有が非常に注目を集めています。本来のシンクライアントでは、サーバーに接続して使用するのが一般的でしたが、サーバーは社内に設置する必要があり、場所をとるばかりではなく、管理が非常に困難です。その点クラウドは社内にサーバーを置く必要がなく、管理もする必要がないので、自社にIT部門を構えていない企業にとっては非常に便利です。クラウドとシンクライアントを組み合わせることにより、情報管理・情報漏洩に特化したIT環境を構築することができます。シンクライアントを導入して、クラウドでの一括管理を行うことにより、ユーザーは端末本体にデータを保存することがなくなるので、IT管理者が、社内すべての情報を管理することができます。また、端末自体にデータが保存されていないことにより、端末が故障し、データがすべて消えてしますこともなくなります。本来であれば、端末内のハードディスク(HDD)に保存されているため、ハードディスク(HDD)本体が破損し、データ修復になれば、すべてのデータを失うことになります。そうなれば、多大な損失が発生します。シンクライアントはそんなリスクヘッジ対策としても有効と言えるでしょう。